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書換えコマンドでハイパボリック関数の対数式を得ることができます.

◮ 書換え+対数 arcsinhx= ln(

x+√ x2+ 1)

arcsechx= ln(

1 x+√

1 x2−1) 逆ハイパボリック関数の値を計算する場合は数値計算コマンドを利用します.

◮ 数値計算

arcsinh 5 = 2.312 4 cosh−110 = 2.993 2

逆ハイパボリック関数の方程式を解く場合は,求解 +,または,求解+ 数値解コマンドを実行 します.

◮ 求解 +

arcsinhx−arccoshx= 0.3,: {x= 1.339 5} 特殊な値は次のように実行されます.

◮ 計算

arcsinh 0 = 0 arccosh 1 = 0 arctanh 0 = 0

4.5 複素数と複素関数

実数a, bおよびi2=−1を使って表現する値a+biを複素数と呼びます. 複素数に関する詳細は 35ページを参照してください.

4.5.1 複素数の偏角

点P の座標を原点からの距離r,直線OP x軸との交わる角度(時計回りを使って表現 する座標形式を極座標と呼びます. 平面上の実数点(a, b)を極座標P(r, θ)で示すと,その点は

a=rcosθ and b=rsinθ となります.ここで原点から点(a, b)までの距離はr=√

a2+b2,角度θtanθ=ab を満た すものとします.

角度θzの振幅または偏角と呼ばれます. 偏角は一意には決まらない点に注意してください. z の2つの偏角は常に, 2πの整倍数分の差となります. −ππの間の偏角を持つ関数はargzで表 されます.

◮ 複素数の偏角を求める

1. 数式入力モードでargと入力し, gを入力した時点で数式名は自動的に灰色になります. 2. カッコの中に数字を入力します.

3. 計算,簡単化,数値計算を選択します.

◮ 計算

arg (3 + 5i) = arctan53

◮ 簡単化 arg(

(2 + 3i)3i)

=32ln 13−2π arg( 52−3i)

= 2π−3 ln 5

◮ 数値計算 arg(

(5i)2+i)

=−1.532 2 arg (3 + 5i) = 1.030 4

4.5.2 複素数の形式

xyではなく,rθを含む複素数の記述形式を複素数の極形式と呼びます.直交座標における 複素数

z=a+ib は三角関数極形式を使って次のように表示できます.

z=r(cosθ+isinθ) また,指数関数極形式では次のようになります.

z=re ここでr=|z|=√

a2+b2θ = arctanab です.書換えコマンドを使って複素数a+ibを指数 関数極形式に変換します.

◮ 書換え+極座標 3 + 5i=√

34eiarctan53 16π−√ 2i=√

2√

128π2+ 1 exp(

−iarctan16π1 √ 2) 複素数を極座標から直交座標に変換する際も書換えコマンドを使用します.

◮ 書換え+直交座標

√34eiarctan53 = 3 + 5i

√256π2+ 2 exp(

−iarctan16π2)

=√

2q128π12+1

128π2+11 q128π12+1 128π2+1i

◮ 簡単化

√2q128π12+1

128π2+11 q128π12+1

128π2+1i= 16π−i√ 2 オイラーの公式の場合は

reit=r(cost+isint) 書換えコマンドを使って指数関数を三角関数に変換します

◮ 書換え+ SinCos reit=r(cost+isint)

4.5 複素数と複素関数 91

4.5.3 複素数の累乗と累乗根

オイラー公式reit=r(cost+isint)を使って複素数の累乗を求めることができます. z̸= 0 wが複素数であり,r, a, bが実数,かつrが正である場合,z=reitおよびw=a+ibと記述しま す. この時,主値zwは以下のように求められます.

zw=(

reit)a+ib

=(

elnr)a+ib( eit)a+ib

=ealnreiblnreitae−bt

=ealnr−btei(at+blnr)=rae−bt(cos (ta+blnr) +isin (ta+blnr))

この関数は kが整数の場合,eiy =eiy+2πkであるため,複数の値を持ちます.書換えコマンドを 使って,主値を計算します.

◮ 書換え+直交座標

ii=e12π 52i= cos (2 ln 5) +isin (2 ln 5)

◮ 書換え +直交座標, 簡単化 (1 +i)2−i=e14π+ln 2cos(1

2π−12ln 2) +(

e14π+ln 2sin(1

2π−12ln 2)) i

= 2e14π( icos(1

2ln 2) + sin(1

2ln 2))

4.5.4 · モアブルの定理

ド·モ ア ブ ル の 定 理 と はz =r(cosθ+isinθ)か つn を 正 の 整 数 と す る と き,次 の 式 で 与 え ら れ ます.

zn= (r(cost+isint))n=rn(cosnt+isinnt)

nが小さい数である場合は展開コマンドにつづけて結合+三角関数コマンド,さらに因数分解コ マンドを実行することによって,式を変形することができます.

◮ 展開,結合 +三角関数,因数分解

(r(cost+isint))3 = r3cos3t+ 3ir3cos2tsint−3r3costsin2t−ir3sin3t

= r3cos 3t+ir3sin 3t= r3(cos 3t+isin 3t) reit に対しても同じ要領で計算しても

(reit)n

= rneitn ですので,同じ結果を得ることができます.

4.5.5 複素三角関数とハイパボリック関数

全ての三角関数,逆三角関数およびハイパボリック関数は複素数の偏角で定義されます. iの有理 倍数である偏角はハイパボリック関数の式で書き換えます.

関数arcsinh[

π2,π2]

の範囲の虚数部の値を生成します.

◮ 計算

sin 5i=isinh 5 cos4i5 = cosh54 tan (−3i) =−itanh 3 arcsin 5i=iarcsinh 5 arccos4i5 =12π+iarcsinh54 arctan (−3i) =−iarctanh 3

π

2iの整倍数の偏角を持つハイパボリック関数は計算コマンドで簡単化することができます.

◮ 計算 sinh(π

2i)

=i cosh (40iπ) = 1 tanh(

−10100iπ)

= 0 arccosh 0 =12iπ arccoth 0 = 12

その他の複素数の偏角の場合は,展開コマンドを使って,三角関数やハイパボリック関数に書き換 えます.

◮ 展開 sin(

5i+23π)

=12

3 cosh 5−12isinh 5 cos(5

4iπ4)

=12

2 cosh5412i√ 2 sinh54 tan(

−3i+π2)

=−tanh 3i sinh (x+iπ) =−sinhx 特定の関数式の表示方法を求めるには,書換えコマンドを利用します.

◮ 書換え+ SinCos

e2ixtanx=cos1x(sinx) (cos 2x+isin 2x)

arcsinarccosの場合,分岐切断は(−∞,−1)(1,∞)の実数区間になります.arctanの場合, 分岐切断は(−∞ ·i, i][i,∞ ·i)の虚数軸上の区間になります. arcsecarccscの場合,分岐切 断は(−1,1)の実数区間になります. arccotの場合,分岐切断は[i,−i]の虚数軸上の区間になりま す.偏角が分岐切断を横切る場合,値は移動します.

◮ 計算

arcsin (−1.2) =−1.5708 + 0.62236i arcsin(

−1.2 + 10i10

)=−1.5708 + 0.62236i arcsin(

−1.2−10i10

)=−1.5708−0.622 36

arccotarccotx= arctanx1で定義されますが,arccot自体はarctanの式で書換えられない点に 注意してください.この定義の結果として,実数線は分岐切断を横切り,arccotは原点における飛躍 不連続点を持ちます.

◮ 計算

arcsinh (sinh (3 + 25i)) = 3−8iπ+ 25i

デフォルトの実数/複素数の設定では,求解+解コマンドで三角関数の方程式の実数解と同様に複 素数を求めます.

◮ 求解+

tan2x−cot2x= 1,: {

12π+ arctan√ 2

5+1+πk|k∈Z }

∪ {

1

2π−arctan√2

5+1+πk|k∈Z }

∪ {

1

2π−arctan√ 2

5+1+πk|k∈Z }

∪ {

12π+ arctan√2

5+1+πk|k∈Z }

◮ 基本的な解のみを求める

1. ツールメニューから計算エンジン設定を選択します.

4.6 練習問題 93

2. 一般タブで基本的な解だけをチェックします.

◮ 求解+

tan2x−cot2x= 1,: arctan√2

1− 512π

4.6 練習問題

1. 関 数 f(x) = x3+xsinx g(x) = sinx2 を 定 義 し て, f(g(x)), g(f(x)), f(x)g(x), f(x) +g(x)を計算してください.

2. メトロポリタン空港では離陸から水平方向1 mi離れた時点で,高度800 ftを確保する必要 があります. 上昇角度は平均的に何度になりますか?

3. sinnxの展開式はsinxcosxによって構成されます. いま,n= 1,2,3,4,5,6の場合の 展開式を求め,そこから一般形を推定してください.

4.パ ラ メ ー タ tに よ る 関 数 (cost,sint)(t,sint)を グ ラ フ 化 し ま す. 最 初 の グ ラ フ に 点 (cos 1,sin 1),次のグラフに点(1,sin 1)をプロットします. そして, 2つのグラフの関係 を説明してください.

5. パラメータtによる関数(cost,sint), (cost, t), (t,cost)をグラフ化します. 最初のグラフ に点(cos 1,sin 1),次のグラフに点(cos 1,1), 3つめのグラフに点(1,cos 1)をプロット します.そして, 3つのグラフの関係を説明してください.

6. 比を使ってラジアンを度に変換します. 等式 θ 360 = x

を記述します. ここで,xはラジア ンの値です. 求解サブメニューから解または数値解を選択し,解を求めるための変数をθ します.この方法を利用して,x= 13

600πを度に変換してください.

7. 三角形の解を求めるとは, 3辺の長さや3つの頂点の角度(度またはラジアン)を求めるこ とを意味します.

(a1辺がc=2, 1つの頂点の角度がα=π9 である直角三角形の解を求めなさい.

(b2辺がa= 19およびc= 23である直角三角形の解を求めなさい. .

8. 正弦法則

a sinα= b

sinβ = c sinγ

により, 1辺と2つの頂点の角度,または2辺とその対角のうちのどちらか1つの頂点が分 かれば,三角形の辺の長さと頂点の角度を調べることができます. 1辺がc= 22つの頂 点の角度がα=π9,β=9 である時,三角形の解を求めなさい.

9. 正弦法則と余弦法則,

a2+b2−2abcosγ=c2

を使うと2辺とその頂点,または3辺の長さから三角形の解を求めることができます.

(a2辺がa= 2.34, b= 3.57,1つの頂点の角度がγ= 21629πの三角形の解を求めな さい.

(b3辺がa= 2.53,b= 4.15c= 6.19三角形の解を求めなさい.

10. ii=eπ2 を表示するための手順を記述し,一般的な解を求めなさい.